【英語・英文学・英文科】Fスコット・フィッツジェラルド、The Great Gatsby(グレート・ギャツビー)の解説、和訳④
初回から数えて4回目です。主人公ニック・キャラウェイの金融マンとしての新生活が始まります。大学時代も回想しています。主人公はイェール大学の学生という設定ですが、著者フィッツジェラルドも同じくアイビーリーグのプリンストン大(中退)です。
There was so much to read for one thing and
一つに、読むべきものはたくさんあった。そして、
so much fine health to be pulled down out of the young breath-giving air.
真新しい空気からくる(抑制すべき)元気もあった。
pull down 引き下げる、衰弱させる
breath 〈文〉生気、生命力 ※ breath-givingという言い回しは珍しい
I bought a dozen volumes on banking and credit and investment securities
私は銀行業務や貸付、投資証券についての本を何十冊も買い込んだ。
volume (特に、分厚い)本、(全集・セットの書物の)巻
and they stood on my shelf in red and gold like new money from the mint,
それらの本は、鋳造所から出てきたばかりのお金のように真新しく、赤やゴールドで書棚に並んだ。
※英語でmint には「鋳造所→新品」みたいな含みがある
promising to unfold the shining secrets that only Midas and Morgan and Maecenas knew.
その本たちは、ミダスとモルガンとマエケナスだけが知っている、キラキラした秘密を明かしてくれる。
ミダス ギリシャ神話のキャラ(触るものが金になる人)
モルガン JPモルガン(金持ち)
※三人とも金持ち。MoneyのMとかけている。うまい!けど分かりにくい・・・
And I had the high intention of reading many other books besides.
さらに、他の本もたくさん読もうという意図も、大いにあった。
I was rather literary in college
大学では、少しばかり文学にハマった。
—one year I wrote a series of very solemn and obvious editorials for the ‘Yale News’—
ある年には、イェール大学新聞に荘厳で、かつ明確な社説を書いた。
and now I was going to bring back all such things into my life
そして今は、そうしたことを全て人生に組み込み、
cf: bring back to life 生かす, 活かす
and become again that most limited of all specialists, the ‘well-rounded man.’
あらゆる専門家の中で最も劣る「多才な人間」になろうとしていた。
考察:主人公はマジメで優秀でありながら、器用貧乏。自分の専門分野が見つからないタイプのようです。アメリカ人よりは日本人に多いタイプではなかろうか?と思ったりします。
使える英語: mintには「鋳造所、新品」の意味があり、”in mint condition“と言うと「新品で」という意味になる。
例)The book is in mint condition.
「その本は新品だよ」
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