Angloのブログ

英語学習における有益な記事を書いていきます。

【英語・英文学・英文科】Fスコット・フィッツジェラルド、The Great Gatsby(グレート・ギャツビー)の解説、和訳⑫

初回から数えて12回目になります。ニック、デイジー、トム、ジョーダンの四人の会話が続きます。トムがいきなりネット右翼っぽい発言をし始めるので、その辺は現代的ですね。それでは読み進めていきましょう。

有色人種用の給水器

‘You make me feel uncivilized, Daisy,’ I confessed on my second glass of corky but rather impressive claret.

「デイジー、君がいると何だか自分が非文明的に思えるよ」と私は二杯目を飲みながら告白したコルクくさいが、かなり上質の赤ワインだ。

 

uncivilized 未開の、野蛮な  confess 告白する、白状する

corky コルクくさい

claret クラレット(ボルドーワインの一種)、赤紫色の

 

‘Can’t you talk about crops or something?’

「君は作物とかの話はしないの?」

 

I meant nothing in particular by this remark but it was taken up in an unexpected way.

この発言特に意味はなかったが、思わぬ形で取り上げられた。

 

in particular 特に  unexpected 予期しない

 

Civilization’s going to pieces,’ broke out Tom violently.

文明ばらばらになる一途だ」とトムが急に激しく声を出した

 

go to pieces ばらばらになる  broke out 急に〔…〕しだす

 

I’ve gotten to be a terrible pessimist about things. Have you read ‘The Rise of the Coloured Empires’ by this man Goddard?’

「最近のことに関して俺はひどく悲観的にならざるを得ない。ゴダードの『有色人種諸帝国の勃興』は読んだか?」

モデルとなった本

‘Why, no,’ I answered, rather surprised by his tone.

「いや・・」と彼の勢いにいくぶん面食らって、私は答えた。

 

‘Well, it’s a fine book, and everybody ought to read it.

「そうか。優れた本だがな。皆が読むべき本だ。

The idea is if we don’t look out the white race will be—will be utterly submerged.

要するに、気をつけておかないと白人種は……白人種は完全に転覆させられると言うんだよ。

 

submerge 水中に沈める

 

It’s all scientific stuff; it’s been proved.’

完全に科学的だ。証明されているんだ」

 

stuff もの、こと

 

 

‘Tom’s getting very profound,’ said Daisy with an expression of unthoughtful sadness.

「トムの話がだんだん深くなってきた」とデイジーは言った。顔には深い思いのない悲しみが宿っていた。

 

profound 深遠な  unthoughtful 深く考えない、軽率な

 

 

‘He reads deep books with long words in them. What was that word we——‘

「トムは、長い単語がたくさん入った難しい本を読むの。あの単語なんだっけ、ほら……」

‘Well, these books are all scientific,’ insisted Tom, glancing at her impatiently.

「こういう本は全て科学的だ」とトムはイラ立ち、彼女をチラっと見て力説した。

 

impatiently いらいらして,もどかしげに

glance at ちらっと見る

 

 

‘This fellow has worked out the whole thing.

「この著者はあらゆる問題に取り組んでいる。

 

It’s up to us who are the dominant race to watch out or these other races will have control of things.’

 

気を付けるかどうかは、支配的な人種であるオレたち次第ださもなくば、他の人種が物事を支配することになる」

 

 

‘We’ve got to beat them down,’ whispered Daisy, winking ferociously toward the fervent sun.

「そいつらをやっつけちゃえ」とデイジーが囁いた。燃え盛る夕陽の方を向いて、挑発的にウィンクした。

 

beat down ~を打ち倒す  ferocious どうもうな、凶暴な

fervent 熱烈な

 

考察:トムはかなり人種差別的ですね。1920年代当時、アメリカは現在と同様に保守化が進みます(国際連盟非加入、KKK復活、アジア人の移住全面禁止などなど)。当時『グレートギャツビー』は不人気でしたが、当時の保守的なモードが影響していたのかもしれません。

ジョーダン・ベイカーは「コイツうぜー」と言わんばかりにトムを処理してますね。トムに関しては、『ゴーマニズム宣言』とか読んで愛国心に目覚める人、みたいな感じがします。

 

使える英語:It’s up to us‘ 「オレたち次第だ」という表現がありましたが、It’s up to you. 「あなた次第だよ」という言い回しは、よく聞きます。使ってみましょう。

 

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